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読書録其の6(近くて遠い外国) 

書名:朝鮮民族を読み解く
著者:古田博司
出版社:ちくま書房(ちくま学芸文庫)
価格:(金950円 + 消費税)
刊行年:平成21(西暦2009)年 第三刷


我国において外国を知るというのはなかなかの難事となっております。この原因は様々ですが、大きな要因として「まずはじめに好悪ありき」の姿勢で外国を見ようとする傾きがあるためと考えております。そのため時には外国のある要素だけを見て褒め上げるか、反対に嫌悪するかという極端に揺れる為に、外国理解がいつまでも皮相に終る悪循環に陥っているように思えます。今回紹介しますのは、朝鮮に対して好感を持つ著者が上記の両極端に陥らず外国としての朝鮮を見ている貴重な著作といえる内容です。

※():私注となります。

それではそのさわりだけを、いつものように紹介いたします。
・システム(※朝鮮社会)が不安定なので、彼ら同士ですらいつも不安で、ピエタス・インプット(※情注入)で休むいとまがない。韓国人は毎日たくさんの人に会う。用もないのにやって来ては茶を飲み、ともに食事をする。消化しきれず、いきつけの喫茶店に全部個別の知合いを集めておいて、ボックスを飛び回っているものもいる。Aの人が終ったらBの人のボックスに移り、つぎはCの人へと移っていくのである。蜜なき里の蝶の乱舞である。(P.20)

・宗族とは男子の単系血族のことであり、それは祖先発祥の地(本貫)を冠した同族名で示される。(中略)本貫が異なれば、同姓の李氏であっても異族であり、族間に婚姻の禁忌はない。しかし同じ宗族のなかの男女はどんなに遠縁でも結婚できない。同じ男性の族祖から発した単系の血族とみなすからである。(P.20)

・ここでは朝鮮民族の親族構造として宗族という用語を広義に用いるが、真に機能しているのはその下部単位の門中あるいは堂内(四代祖を同じくする血族)であるとういうことを前提にして話を進めたい。(P.24)

・以外に思われるかも知れないが、韓国人はわれわれ日本人や老練な中国人に比して、驚くほどおおらかで、そして単純なのである。(中略)つらい歴史だったのだから絶望して当然だと、絶望の押売りをする日本人までいる。しかしそれこそ余計なお世話なのだ。最後には俺たちが可哀そうな存在だとでもいうのか、と怒りの言葉が投げ返されたりもする。(中略)もちろん一方では笑い飛ばせなかったものもいた。この人たちはどうしたか勉強して、理論武装したのである。眉間にしわをよせ、頭のなかに詰め込んだ思いを声高に相手に押しつける韓国人のもう一つのタイプ。(P.32~33)

・(※北朝鮮の)山里離れた僻境である。このようなところに招じ入られたなら、先方があらかじめ当方を隔離・教化のつもりであることを覚悟しなければなるまい。朝鮮民族の教育熱心さというのは、韓国でも名高ように、自由な教育のことではなく、過激な既存概念の注入そのもののことである。(P.54~55)

・実は朝鮮半島居住の朝鮮民族では、接待業は賎業なのである。韓国の場合、食堂、床屋、酒場などはとりわけいやしまれる。(※序列は食堂>床屋>酒場>旅館)(P.62)

・いまだ変わらないものといえば、ウリの健全さである。それは壊れる様子を見せるどころか、経済が沈滞するようなことがあれば、あるいは政治的混乱がふたたび訪れるようなことがあれば、たちまち亀の甲羅に身をすくめるように、外縁部からおのれを切り捨てて行くであろう。知人(アヌン・サラン)、同郷同学(トン・チャン)、宗族(チャン・チン、同本同姓血族)、門中(ムン・チャン、分派祖血族)、堂内(チバン、四代祖血族)へと、それは縮むであろう。この縮む過程は、まったく社会的危機に対応しているであろう。(P.86)

・「したくない仕事」をプマシでするということはすでに好意であり、これは今までの庇護に対する感謝以外の何ものでもないのである。(中略)しかし韓国人は、そもそもこのような知人関係、とりわけ恩恵と庇護の関係で、無理だとか、できないとは情からして断じて言えないのである。そこで正直に嫌だけとします、と決然というのである。(中略)重すぎるほどの負担を避けるという点で、現今ではお返しその場その場で実にまめに行われるし、頼み事は双方が互いに状況を見て、重すぎればさっと引けばよい。これを見て韓国人は、日本人はドライだというのである。なぜならば、韓国人はここでさっと引けば関係が終ってしまうため、あくまでこの窮地に踏みとどまろうとするからである。(PP116~118)

このように興味深い記述が続きますので、もし朝鮮について理解を深めたいという希望をもたれる人がおりましたら、一読をすすめたい著作です。そして外国を理解するということは好悪を持つためではなく、相手との無用なる摩擦や諍いを減少するために力を発揮することが出来るのだという考えを、理解できるようになるキッカケになると考えております。
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