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読書録其の32-2(自由の扱い難さについて2)  

それでは、前回の続きに入ってゆく。

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 ではいったい、「自由」という概念は、この投書者の考えるようなものであろうか。「自由主義とはつまり資本主義」なら、資本主義の発生以前には自由主義は存在しなかったことになる。

 ではいったい、宗教改革のルターの『キリスト者の自由』における自由の概念、あるいは清教徒革命、フランス革命における自由の概念、これらの自由を基にした"自由主義"もまた資本主義なのであろうか。おそらくこの投書者は、自由の系譜を逆にとらえているのである。

 すなわち、「自由」という概念は、西欧の近代化で大きな力を発揮した、それが資本主義社会を招来する一つの原動力となり得たということ、これは否定できない事実で、「自由主義が資本主義を招来しえた」とまでは、極言とはいえ、いうことが可能と思われるが、「自由主義とはつまり資本主義」ではない。

 「自由主義」という理念は資本主義よりはるかに古いものであり、それは人間における「自由意志」の確認にまでさかのぼる。そして資本主義体制が変化することは、そのままこの「自由主義」が喪失することでもなければ、資本主義体制が存続することは、自由主義の存続を保証することでもない。

 自由の前提といわれれば、それは「自由意志に基づく各人の決断と選択」を基本とする状態という定義は、西欧ではそれでよいかもしれぬが、少なくても日本においては、彼らにとっては自明の大きな前提が欠落しているといわねばならない。

 ひとことでいえばそれは「自由なる思考」と「自由なる討論」(※著者ではルビでフリー・トーキングとある)を行い得る権利である。選択とか決断はそれ以後のことであり、同時にこの二つの自由とは「いっさい、責任を負わない」という意味の自由(自由には当然のこの意味が含まれるが)である。

 そしてこの前提がない社会には、それが資本主義であれ社会主義であれ、自由は存在し得ない。ただこれは、現在の日本では絶対に通用しない考え方なのである。

 
 人びとはそれを知っている。従って人は、「自由」といわれれば大まじめでそんなことを口にしている人に対して、「笑う」以外に方法がなくなるわけである。「自由」という概念がない以上、これは無理もないのであって、このことは「言論の自由」を主張する新聞とて例外ではない。(PP.201~202)

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 山本七平氏が挙げた「自由なる思考」も「自由なる討論」は只今の我国では皆無といってもよい、この言説がなされた36年前より長足の進歩を遂げた通信環境であろうともこの部分が変わっていないことは率直に認めた方がよい、我国の議論なるものをしても必ず何らかの責任論が発生してしまい、その実現性についての討論が開始され、言葉の定義もせず只管こうした討論が発生し、最後には互いの罵詈讒謗合戦に終わるという救いのない結末に陥ることは余りに見慣れた景色の一つでしかない。

 わたくし自身も覚えているだけでもこうした自由討論時にこのような「実施責任論」を持ちだして議論そのものを破壊したことが何度かあることは、身に覚えが無いとはとても言えないものである。かつての「構造改革論議」(当時の私自身は構造改革に懐疑を懐いていた)の時も、前年の反原発論議(私自身は学生時代から原発推進を考える)の時も、相手の議論を実施責任論で封じようとした欲求を持ち、実際に行使してしまったことも度々ある。

 私なりに何故己自身そのようになるかを学生時代の四書を書き写しながら読んだ経験と、只今毎日少しづつ読み進めている『言志四緑』の内容等と照らし合わせてみて、江戸期に完成された日本流知行合一思想の大きな影響だと認識している。この思考形態からは「フリートーキング」という考え方というものは失格者として烙印をおされる行為であるから、原則として出来ないのが当たり前ということになるのである。

 それでは次回からは、上記のような自由討論(フリー・トーキング)とはいったいなんなのかを、もう少し詳しく述べた部分を紹介してゆく。

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