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読書録その2(もう一度原点に立ち返ろう) 

書名:軍事の事典
著者:片岡徹也
出版社:東京堂出版
価格:(金4500円+消費税)

私事ながら軍事という分野に関心を持ったのは、かれこれ十数年前の
中学時代の図書館にあった奥宮・堀越著『零戦』だという懐かしい
想い出があります。そんな始まりがあり、それから軍事に関する
書籍を読み、時折議論をしながら十数星霜が経過しましたが、ここ数年
頃前から「何かおかしいのではないか」とぼんやりとながら思っていた
ことがあります。

それは、一口に「戦争」を主題にして議論しているつもりが、異なる
概念上の話をしているため議論を行う両者が不毛な平行線に陥るという、
不幸な結果が間々見受けられるからです。それでは実際にはどのような
議論になるか一寸した仮想問答を行うことにします。

甲:近代戦争は火力が第一なのだから銃剣を保持するより歩兵は、
  小銃(もしくは突撃銃)の弾倉を余分にもつほうが、合理性があるの
  ではないか?
乙:いや、銃剣は貴重な制圧兵器だから保持したほうが良いよ。
甲:そんなケースなど現代では稀なのだから廃止して弾倉を余分
  にもつべきだよ。
乙:火力といっても近接して銃剣の間合いに入れなければ相手を制圧
  するのは困難なのだけど…
甲:戦争は結局火力を多く集めたほうが勝つのだから、君の銃剣に
  対しての利点は些少なものに過ぎないのではないか?
乙:火力が重大なのは否定しないが、銃剣をもってその間合に到達すれば
  相手の陣地を確実に制圧できる蓋然性が高いのであって、その時に
  銃剣の無い小銃(もしくは突撃銃)ではその代わりにならないよ。

さて、上記に類似した問答に覚えのある方はいらっしゃるのではないかと
思いますが、これは何が問題なのかと言えば、甲と乙が別の概念上の話を
恰も同一のものとして議論していることが最大の問題なのです。つまり、
甲は戦争という事象の「battle(複戦闘に属す)」からの議論をしており、
乙は戦争という事象の「combat(単戦闘に属す)」からの議論をしている
という事態に陥っているのです。そのためこの後は両者はお互いが何時
までも噛み合わない不毛な議論へ突入するのは時間の問題となります。

こうした不毛な議論が行われる土壌についてこの著作は、我国が西洋から
取入れた軍事に対する概念上の整理が行われていない為ではないかと見て
おり、戦争という概念が「戦争(war)>戦役(campaign)>作戦(opretion)
>複戦闘(battle)>単戦闘(combat)」という分類を含み、それに対して
戦略や戦術がどこまでの概念を扱っているかを、当時の各国の例を平行
にして解り易く解説しています。

古諺に「まず名をただす」という言葉がありますが、まさにその通りだと
強く考えさせてくれる本ですので、軍事に御興味をもたれる人は一読され
ると裨益することが多いと思います。
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テーマ: 考えさせられる本

ジャンル: 本・雑誌

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