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呟き(クラウゼヴィッツ偶感その弐) 

前回に続き、何ゆえクラウゼヴィッツの『戦争論』がこうした混乱を引き起こしたのかについて考えてゆこうと思います。まず私の手元には既に一読した『淡徳三郎訳『戦争論』徳間書店』がございます。もしこれと同じ書を読まれますと、政治に対する軍事の優越を明確に述べた第一編から第二~六編までの軍事上の要点とその効果の重大性をこれでもかと考察された話が続き、そして最後の第七編にてまた戦争にたいしての政治の役割とそれに軍事が従属するのは何故なのかについての考察となるというもので、通して一読すればたちまち基底論調が混乱した印象を抱くものとなるものがあります。

学生時代に戦争論を始めて読んでからこの奇妙なる事態に重大なる思考の補助線となりましたのが、かつて紹介しました片岡徹也『軍事の事典』でした。これを読んでから戦争概念の分類(戦争(war)・戦役(campaign)・作戦(opretion)・複戦闘(battle)・単戦闘(combat))を行い、もう一度上記著作を読みなおすとクラウゼビッツの『戦争論』は各編ごとに異なる概念を述べていることが漸く理解することができました。この補助線の視点で再読すると第一編及び第七編はまさに戦争(war)と政治の関係を述べているのに対して、第二~六編に関しては最大で戦役(campaign)までで主に作戦(opretion)と複戦闘(battle)における領域を述べていることが判然としてくるのです。

つまり、作戦という次元において軍事が政治よりも優先順位があるとモルトケが引用するようにクラウゼヴィッツが述べたとしても、それをもって戦争という次元に対して政治に対する軍事の独立性又は同権性を主張する根拠にはなりえないということにもなります。これをクラウゼヴィッツは第七編で「政治が戦争の遂行に有害な影響を及ぼすということがよくいわれるが、非難されるべきは、政治の影響ではなくて、政治自身なのである」と明確に述べていることからも理解することが出来ます。

それでは、前回引用したようなモルトケが述べた政治に対する軍事の独立もしくは同権を主張するのに、あえてクラウゼヴィッツを引用することを行ったのかという疑問が生じます。モルトケは前述した概念分類というのは理解していたと思われる軍人なのにも関わらずという敢えてあのような主張を行ったと考えられます。それは唐突ではなく『戦争論』にその議論の芽生えがあるとも思える箇所があるのですが、これはまた次回に日を改めて述べてゆきたいと思います。
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この記事に対するコメント

No title

こちらでは初めまして。

> つまり、作戦という次元において軍事が政治よりも優先順位があるとモルトケが引用するようにクラウゼヴィッツが述べたとしても、それをもって戦争という次元に対して政治に対する軍事の独立性又は同権性を主張する根拠にはなりえないということにもなります。

 起きたばかりの第44普通科連隊長の事案、発言現場が、日米共同演習、という「作戦」の場所であることを考えると、応用問題として面白いですな。

MUTI #56eU4vEw | URL | 2010/02/14 19:26 * edit *

今回の譴責処分

MUTI様

件の訓示を読みましたが正直どうしてこれほど大騒ぎになっているか不明な思いしか抱いておりません。クラウゼヴィッツは作戦以下の細かい分野については、政治介入をしても戦場の「摩擦」を悪化させるだけと暗に論じていますけれど・・・、まあ仮に真の意味で軍の規律崩壊を招く「抗命行為」を推奨する発言をした場合ならば、話は別の次元に属するのでこれほどの大騒ぎには当然となりますが、ただ現政権はイラク派兵のとき自衛隊員に同情した振りをしながら「抗命行為」を推奨する発言をしていたのではないかと思うと、クラウゼヴィッツが述べた「悪い」政治を、我国でこれから数年は見続ける蓋然性の高さを感じさせてくれる嫌な事件となるのだと考えております。

林 枯山 #- | URL | 2010/02/14 22:17 * edit *

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