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読書録其の7(戦場の一端を覗く) 

書名:戦場の哲学者
著者:J・グリン・グレイ 谷さつき訳
出版社:PHP研究所
価格:(金1700円 + 消費税)
刊行年:平成21(西暦2009)年

この著作は、第二次大戦において欧州戦線に米軍兵士として参加した体験を元にしたいくつかの考察で成り立っております。戦争というよりは戦場(battleという副題示す通り)においての興味深い点を垣間見ることができます。

それでは、いつものように引用にて紹介を致します。
※():私注となります。

・(※著者がドイツ兵を尋問している任務中)奴らときたら一人残らず、イタリアのファシストに匹敵するほど不愉快だ。どいつもこいつもまったくもって臆病で、無理やりやらされたんです、とくるもんだから、一九二八年に入党するためにやった行為にまでそんな言い訳をすることだろう。上の者から下の者まで、中には大物も数人いたが、言うことは皆同じ。(P.34)

・(※戦争の経験を忘れたままにすること)これこそ本物の誘惑で、我々は多くの人によって、その誘惑に身を任せるようにと促されるのである。広く信じられていることに、戦争を直に知っている人はほとんどあるいは全く戦争について語らないというものがある。よく語る人がいれば、自分のちっぽけな自惚れを誇張して言いたがっているのではないか、プロの外人部隊兵ではないか、などと疑われる。(P.51)
→これは一応暗黙の前提として知っているのが望まれる

・ロシアの戦争捕虜収容所で第二次世界大戦後の一〇年間を生き延びたドイツ軍兵士が説得力のある説明をしているが、それは共産主義体制が捕虜たちの間にあるいかなる仲間意識をも破壊することに成功したという話である。これは個人の労働の成果を基礎にして食料割り当てを行うという単純なやり方であった。このような制度の下では、男たちは思う存分食べるばかりか、食料が余分にあることをも楽しみ、ゆっくりと餓死しつつあるかもしれない仲間のことなど全く気にかけないのである。(P.71)

・人間が破壊的行為を行っているときというのは、ほかのどの動物とも異なる次元にいるのである。そして破壊的衝動は単純な人間だけにではなく、高度に洗練された特質の持ち主にも見られるのであって、後者のほうにより多く見られるとまでは言わないものの、前者と同等程度には後者にも見られるのである。(P.87)
→これもあまり知られていない戦場の暗黙知として覚えておくことが望まれる

・(※一九四四年)フランスのレジスタンスが、占領期間にドイツ兵を恋人としていた女性たちの公開剃髪を要求していた。このおぞましい儀式は通常、公共の広場にある少し高くなっている場所で行われ、数え切れないほどの群衆が、ときには嘲りながら、集まっていた。かなりの数の女性は明らかに娼婦であり、見世物としての理由のみで髪を刈られ、部外者には見るに堪えないが、こうした女性たちによって地下組織の活動家として密告されるかもしれないという脅威の下で生活し苦しんできたフランス人たちには満足のいくものであった。(P.112)

・この肉体的疲労は、我々の大半が人生のほかの時期に経験する疲労の限界を超えることになる。肉体疲労だけでも感覚がひどく鈍るために、兵士の動作は夢遊病者のようになる。ある程度の期間こうした極度の疲労が継続すると、男たちは従事してきたことからの休息や変化として、死を喜んで受け入れようとする気になりかねない。(P.145)
→我国のバンザイ突撃時の心理状態はこれではなかろうか

・言うまでもないが、実際のところ臆病者は、勇敢な兵士よりも肉体的な死を迎える可能性が高い。じっとしていられないからである。自分がいまいる場所よりもほかのところのほうが安全に違いないという幻想絶えず悩まされる。(P.156)

戦場は戦場に居たものしかわかりえないというのは、ほぼ真として受け取るしかない言葉ではあるが、その僅かな一端だけでも垣間見ることが出来ることもあるということを考えさせられる本だと思います。
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テーマ: 読んだ本

ジャンル: 本・雑誌

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