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読書録其の9(人物好悪と功績評価は別々に…) 

書名:山県有朋
著者:伊藤之雄
出版社:文芸春秋
価格:(金1300円+消費税)
刊行年:平成21(西暦2009)年

私が元勲といわれる人物で贔屓な人物を挙げよといわれると、山県有朋の名を先ず第一に挙げます。巷では人気の無い人物でかつ、功績も伊藤博文と比較すると見劣りするのも確かですが、後の「集団指導体制」という名の無責任体制を運営した、大正昭和期の政治軍人達よりも遥かに判断力と識見の高さは備わった人物であったことももう少し知られてもよいのではないかという考えを抱いております。

さて前置きはこの程度にしまして、いつもの如くかいつまんだ引用紹介を致します。

※():私注となります。

・西郷の死体は、桐野・別府らと少し離れた島津邸の辺に、首なしで発見された。首は後に埋めてあるのが見つかった。西郷軍の死者は一五〇余名だった。午前九時頃から、山県・川村・の両参軍と谷少将らが死体の検分をした。(PP.164~165)

・(※明治11年頃の参謀本部独立について述べた後)それは、当時の太政官制の下において、陸軍卿の人事は伊藤・岩倉ら文官の参議・大臣の有力者たちが実質的にきめており、新しくできる参謀本部長も同様だったからである。現に西郷従道陸軍卿・山県参謀本部長の人事も伊藤らが決めており、陸軍関係の有力者の人事に文官の有力閣員が口出しできなくなることなど、かんがえられなかった。(P.177)

・ところで、一八八一年四月頃には、海軍にも参謀本部を設置し、海軍長老で参議の川村純義中将(前海軍卿)を「参謀長」に任じ、川村が海軍の実権を握るという構想があった。山県参謀本部長は、海軍に参謀本部を設置するのは欧州にも例がないと、強く反対した。(P.183)

・山県は身長が「五尺六寸五分」(約一七一・二センチメートル)もあり、当時としは非常な長身で、軍服もフロックコートも和服も風采が引き立った。(P.221)
→ちなみに森林太郎は五尺二寸(約156センチメートル)、夏目金之助は五尺一寸(約153センチメートル)という数字となります。

・(※日清戦争後の日露和親の意見書提出後の辺り)ロシアが三国干渉の中心であり、イギリスがこれに加わらなかったことで、山県の外交上の提言が現実から遊離したものであることがわかったしまった。現実を冷静に判断できる伊藤首相や陸奥外相に比べ、山県は列強認識の点で劣っていたのである。山県は政党政治の発達したイギリスが嫌いだった。イヂリスの内政に関するその個人的感情が、東アジアにおける列強の利害をめぐる動向判断を曇らせた。(P.284)

・山県の収益財産は「日清日露戦役後の恩賜の公債数万円」が主なるものであったが、第一次大戦中に物価が上昇すると、家計の収支が赤字になった。そこで同年(※大正六年)、「椿山荘」を売却した。もっとも山県は、「二十何年愛撫した庭園」が破壊されることを惜しみ、「一木一草変更せず」という条件をつけたのだった。(P.393)

・(※大正3年)八月七日から八日にかけて、大隈内閣は徹夜の閣議を行い、加藤外相の主導で、同盟国イギリスの側に立って参戦することを決めた。その後、大隈の求めに応じ、元老会議は閣議決定に同意し、御前会議で参戦が正式に決定、八月二三日に日本はドイツに宣戦布告した。内閣が元老に相談する前に開戦を決める、というやり方は前例がない。山県は、「加藤は一体其眼中唯自分一人のみで、国家と云う観念が無い」と、加藤外相に対して非常に憤慨した。(P.399)

・翌年(※大正4年)一月、二十一カ条要求に関し中国と交渉が始まると、山県は元老にも時々報告するように、と加藤外相にも話しておいたが、三ヶ月以上経っても加藤からは何の報告もなかった。[中略]さらに日本が最終案を中国に提出する前、「必ず英・米・露等と意志の疎通を十分に計」っておくように、と山県は加藤外相に命じていた。ところが、二十一カ条要求には中国のみならず、第五号要求に関し、米・英からも批判が起った。(P.403)

・太平洋戦争への道は、山県陸軍から必然的に導き出されたものではない。むしろ、山県の死後、山県の陸軍への理想や精神を忘れた陸軍軍人たちが、山県の作った陸軍の組織や制度・権力を都合よく解釈して利用し、太平洋戦争への道をつくったのである。(P.462)
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